インナーバルコニーに窓をつけるデメリット|建築士が費用と後悔パターンを解説

インナーバルコニーに窓をつけるデメリット|建築士が費用と後悔パターンを解説
  • 建築士の結論:インナーバルコニーに窓は「通常つけない」。花粉アレルギーの家族がいる場合のみ検討
  • 窓をつけるとインナーバルコニーが延べ床面積に加算され、固定資産税が1㎡あたり年約1万円UP。3帖なら年5万円、30年で150万円
  • 洗濯物の室内干しが目的なら、建築士はインナーバルコニーより「ランドリースペース」を提案する
増田 圭太

「インナーバルコニーに窓をつけたら便利そう」──洗濯物を干す、子供の遊び場にする、セカンドリビングとして使う。インナーバルコニーに窓を設置するメリットはネット上にたくさん書かれています。しかし、デメリットについて具体的な数字を出して解説している記事はほとんどありません。

この記事の執筆・監修は、ぶっちゃけハウジング代表の増田圭太です。建築士として100棟以上の住宅設計に携わる中で、インナーバルコニーの窓について施主から相談を受けてきました。建築士の立場から、窓をつけるデメリットを具体的な費用と固定資産税の数字で示し、本当につけるべきかの判断基準を本音でお伝えします。

代表設計士増田圭太の写真

「インナーバルコニーに窓をつけるべきか迷っている」「間取り全体のバランスを相談したい」という方は、ぶっちゃけハウジングの無料相談をご活用ください。建築士が間取り全体のバランスからアドバイスします。

目次

インナーバルコニーに窓をつけるデメリット──建築士の結論は「通常つけない」

インナーバルコニーに窓をつけるデメリット──建築士の結論は「通常つけない」

結論から言います。

建築士として、インナーバルコニーに窓をつけることは通常おすすめしていません。

理由は明確です。窓をつけるとインナーバルコニーが「屋内」扱いとなり、延べ床面積に加算される。延べ床面積が増えると固定資産税が上がり、その増額分は家を所有する限り毎年発生します。「便利そうだから」で窓をつけると、30年間で100万円以上の固定資産税増を払い続けることになるのです。

ただし、例外が1つだけあります。家族に花粉アレルギーの方がいる場合です。花粉の時期に外に洗濯物を干せない、窓を開けられない──こうした切実な事情がある場合は、インナーバルコニーに窓をつけて「花粉を遮断した室内干しスペース」として活用する価値があります。

花粉アレルギーの方がいないのであれば、洗濯目的のインナーバルコニーの窓は不要。

ネットの記事では「インナーバルコニーに窓をつけてサンルームにしたら最高」「雨の日も安心」とメリットが強調されています。しかし、そうした記事のほとんどは固定資産税の具体的な増額計算を示していません。「便利になる」という感覚的なメリットと、「毎年5万円×30年=150万円」という数字を並べたとき、それでも窓をつけたいと思えるかどうか──建築士としてはこの判断を施主に委ねています。代わりに「ランドリースペース」を室内に設ける方が、コストも固定資産税も抑えられます。この代替案については記事の後半で詳しく解説します。

そもそもインナーバルコニーとは

インナーバルコニーとは、建物の内側に引っ込んだ形で設置されたバルコニーのことです。通常のバルコニーが建物の外壁から突き出しているのに対し、インナーバルコニーは建物の屋根や上階の床がそのまま屋根の役割を果たします。

インナーバルコニー通常のバルコニーベランダ
位置建物の内側に引っ込んでいる建物の外壁から突き出している1階に設置(庭に面する)
屋根あり(上階の床が屋根になる)なし or 簡易的な屋根あり or なし
雨に濡れるか奥まっているため濡れにくい濡れる屋根があれば濡れにくい
延べ床面積★窓をつけると加算される通常は不算入通常は不算入

インナーバルコニーの最大の特徴は屋根があること。雨の日でも洗濯物を干せる、直射日光を避けながら外の空気を楽しめる──こうしたメリットがあるため、近年の注文住宅で人気が高まっています。

ここに「窓」をつけると、半屋外だったスペースが完全な室内空間(サンルーム)に変わります。雨風を完全に遮断でき、冬でも暖かい。しかし、その代償として延べ床面積への加算=固定資産税の増額という問題が発生します。

注意すべきは、窓をつけなくても、インナーバルコニーの形状によっては延べ床面積に算入される場合がある点です。建築基準法では、バルコニーの奥行きが2m以下であれば延べ床面積に算入されませんが、2mを超える部分は算入対象。インナーバルコニーは奥行きが深い設計が多いため、窓の有無に関わらず確認が必要です。設計段階で建築士に「この間取りで延べ床面積はどうなるか」を必ず確認してください。

インナーバルコニーに窓をつける5つのデメリット

インナーバルコニーに窓をつける5つのデメリット

デメリット①:延べ床面積に加算→固定資産税が毎年UP

これが最大のデメリットです。インナーバルコニーに窓を設置すると、そのスペースは建築基準法上の「居室」または「室内」と判断され、延べ床面積に加算されます。

延べ床面積が増えると何が起こるか。固定資産税の課税対象面積が増え、毎年の税額が上がります。この増額は家を所有する限り続くため、30年間のトータルコストで考えると非常に大きな金額になります。具体的な計算は次のセクションで詳しく解説しますが、3帖(約5㎡)のインナーバルコニーに窓をつけた場合、固定資産税の増額は年間約5万円。30年間で約150万円です。

「窓をつけるだけで150万円?」と驚く方が多いですが、これは建築士として何度も施主に説明してきた事実です。窓の設置費用(後述する10〜30万円程度)よりも、固定資産税の累積の方が遥かに大きいことを理解しておく必要があります。

デメリット②:窓の設置費用+壁の造作費用がかかる

インナーバルコニーに窓を設置する費用は以下の通りです。

項目費用の目安備考
窓本体+取付工事3〜4万円×枚数引き違い窓の場合。FIX窓はやや安い
壁の造作工事10〜20万円窓を設置するための壁面の造作。断熱材込み
合計(窓2枚の場合)約16〜28万円新築時の場合。後付けリフォームは1.5〜2倍

設置費用だけを見ると「意外と安い」と感じるかもしれません。しかし、デメリット①の固定資産税増額(30年で150万円)を加えると、トータルコストは170〜180万円。窓2枚のために170万円を払うことになります。

デメリット③:結露と断熱性能の低下

インナーバルコニーに窓をつけると、そのスペースは外気と室内の中間的な温度帯になります。冬場は窓の内側に結露が発生しやすく、放置するとカビの原因になります。

また、窓は壁に比べて断熱性能が低いため、隣接する居室の断熱性にも影響します。高気密高断熱の住宅を目指しているなら、インナーバルコニーの窓は断熱の弱点になる可能性がある。Low-Eペアガラスやトリプルガラスを採用すれば断熱性能の低下は軽減できますが、その分コストは上がります。

特に冬場の結露は深刻です。インナーバルコニーの窓は外気に直接さらされるため、室内側の表面温度が下がりやすく、暖房された室内の湿気が窓に触れて結露を起こします。結露を放置するとサッシ周りにカビが発生し、健康面でも住環境面でもマイナスです。毎朝の窓拭きが日課になる覚悟があるかどうかも、判断基準のひとつです。

高性能住宅の断熱・気密について詳しく知りたい方は「香川県の高気密高断熱住宅おすすめ工務店」もご覧ください。

デメリット④:エアコン室外機の設置問題

インナーバルコニーに窓をつけて「室内化」すると、そのスペースにエアコンの室外機を置けなくなります。通常のバルコニーは室外機の設置場所として利用されますが、窓で囲ったインナーバルコニーに室外機を置くと排熱がこもり、冷房効率が大幅に低下します。

室外機の代替設置場所を確保する必要があるため、設計段階で「窓をつけたら室外機はどこに置くか」を必ず確認してください。壁掛け式や地上置き型への変更が必要になるケースもあり、追加費用が発生する場合があります。

デメリット⑤:夏場の「サンルーム化」で暑くなる

窓を設置したインナーバルコニーは、夏場にはサンルーム状態になります。窓から入る日差しで室温が上昇し、40度を超えることも。隣接するリビングや居室に熱が伝わり、冷房効率が悪化します。

遮光カーテンやブラインドで対策はできますが、「窓をつけたのに閉め切っている」状態では窓を設置した意味が薄れます。建築士としては、夏の暑さを考慮すると「窓をつけない方がバルコニーとしての使い勝手が良い」と感じるケースが多いです。

実際、インナーバルコニーに窓をつけた施主から「夏は窓を全開にしている。窓を閉めると暑すぎて使えない」という声を聞くことがあります。夏に窓を全開にするなら、そもそも窓がない状態と変わりません。「冬は窓を閉めて暖かい。でも夏は窓を開けっぱなし」──これでは窓のコスト(170万円)に見合う使い方とは言えません。年間を通じて窓を閉めた状態で快適に使えるのは、春秋の数ヶ月だけというのが現実です。

固定資産税はいくら上がる?──建築士が具体計算

「インナーバルコニーに窓をつけると固定資産税はどうなる?」──PAA(関連する質問)でも最も多い疑問です。建築士の経験から具体的な計算をお示しします。

インナーバルコニーの広さ固定資産税の年間増額(目安)30年間の累計
2帖(約3.3㎡)約3.3万円/年約99万円
3帖(約5㎡)約5万円/年約150万円
4帖(約6.6㎡)約6.6万円/年約198万円
6帖(約10㎡)約10万円/年約300万円
固定資産税はいくら上がる?──建築士が具体計算

※目安は1㎡あたり年約1万円で計算。実際の金額は地域・建物の構造・評価額によって異なります。

最も一般的な3帖のインナーバルコニーの場合、窓をつけるだけで30年間に約150万円の固定資産税増。これに窓の設置費用(16〜28万円)を加えると、トータルで約170〜180万円のコストが発生します。

「窓をつけて室内干しスペースにしたい」という目的であれば、170万円あればランドリースペースを室内に設計して、さらにガス乾燥機(乾太くん等)まで導入できます。コストパフォーマンスで考えると、インナーバルコニーの窓は割に合いません。

この事実を打ち合わせの段階でお伝えすると、ほとんどの施主が窓の設置を取りやめます。「知っていれば最初から窓はつけなかった」という声が多く、建築士として早い段階で伝えるべき情報だと考えています。

「新築後3年間は半額」の落とし穴

新築住宅の固定資産税は、最初の3年間(長期優良住宅は5年間)、建物部分が半額に減額されます。そのため、「新築の間は固定資産税が安いから大丈夫」と感じる方がいますが、4年目以降に減額がなくなると、急に税額が上がって驚くケースが非常に多い。

インナーバルコニーに窓をつけた場合、3年間は増額分も半額ですが、4年目からフルに影響します。3帖のインナーバルコニーなら、3年目まで年2.5万円増→4年目から年5万円増。「3年間は大丈夫だったのに、急に高くなった」というのは減額終了の影響であり、窓をつけた分の負担が本格的に始まるのは4年目からです。

インナーバルコニーに窓をつける費用──新築と後付けの差

窓をつける費用は、新築時に設計するか、後付けリフォームで追加するかで大きく変わります。

新築時に設計後付けリフォーム
窓本体+取付3〜4万円×枚数5〜7万円×枚数
壁の造作10〜20万円20〜40万円
合計(窓2枚)約16〜28万円約30〜54万円
工期本体工事に含む3〜5日

後付けリフォームは新築時の約1.5〜2倍の費用がかかります。既存の壁を加工し、防水処理を追加し、断熱材を入れ直す必要があるためです。「後から窓をつけることもできるし、まずは窓なしで様子を見よう」という判断は合理的です。住んでみて本当に必要だと感じたら後付けすれば良い。建築士としてはこの判断をおすすめします。

ただし、後付けの可能性を考えるなら、新築時に「将来窓を設置する位置の壁に下地補強だけしておく」方法があります。下地補強の費用は数千円程度。これをしておけば、後付けリフォーム時の壁加工費を抑えられます。

なお、窓の種類によっても費用は変わります。引き違い窓(スライドして開ける窓)は最も安価で1枚3〜4万円。FIX窓(開かない窓=はめ殺し窓)は採光のみが目的で換気はできませんが、気密性が高く結露リスクが低い。滑り出し窓は換気と気密性のバランスが良く、建築士としてはインナーバルコニーに窓をつける場合は滑り出し窓をおすすめしています。ただし1枚5〜7万円とやや高くなります。

それでもインナーバルコニーに窓をつけるべき人

それでもインナーバルコニーに窓をつけるべき人

「通常はつけない」が建築士の結論ですが、窓をつけることが正解になるケースもあります。

窓をつけるべき人理由
家族に花粉アレルギーの方がいる★花粉の時期に外干しができない。窓をつけて花粉を遮断したインナーバルコニーなら、花粉を気にせず日光で洗濯物を乾かせる
PM2.5や黄砂が多い地域に住んでいる花粉と同様、外の空気を遮断しながら日光干しができる
セカンドリビングとして本気で使う計画があるテーブルと椅子を置いて「半屋外のリビング」として日常的に使う。ただし固定資産税増を許容できる場合のみ

逆に、以下の目的であれば窓は不要です。

この目的なら窓は不要代替案
雨の日に洗濯物を干したい★ランドリースペース(次のセクションで解説)
子供の遊び場にしたい窓なしのインナーバルコニーで十分。窓がない方が開放感がある
BBQやアウトドアを楽しみたい窓があると煙がこもる。窓なしの方が適している

建築士として100棟の施主と話してきた経験上、「花粉アレルギー」以外の理由でインナーバルコニーに窓をすすめたことはありません。「あったら便利かも」という曖昧な理由でつけると、固定資産税150万円の物干し場になります。

打ち合わせでは「インナーバルコニーに窓をつけたい」と言う施主に対して、必ず「その窓に毎年5万円(3帖の場合)を払い続ける価値がありますか?」と質問します。この問いかけで「やめておきます」と判断を変える施主がほとんどです。逆に「花粉がひどいから、5万円を払ってでもつけたい」と即答する施主には、迷わず窓の設置をすすめています。判断基準はシンプルで、毎年5万円を払ってでも欲しいかどうか──これだけです。

建築士が代わりに提案する「ランドリースペース」

「洗濯物を室内で干したい」が目的であれば、インナーバルコニーに窓をつけるより「ランドリースペース」を室内に設計する方がコスパが良い──これが建築士としての提案です。

ランドリースペースとは

ランドリースペースとは、洗濯機の近くに設けた室内干し専用のスペースです。物干しポールを設置し、除湿器やサーキュレーターを置くことで、天候に関係なく洗濯物を乾かせます。広さは2〜3帖あれば4人家族分の洗濯物が十分干せます。

インナーバルコニー窓 vs ランドリースペースの比較

インナーバルコニーに窓ランドリースペース
設置費用16〜28万円(窓+壁)5〜15万円(物干しポール+換気扇)
固定資産税の影響★年5万円増(3帖の場合)延べ床面積にもともと含まれているため追加影響なし
30年間のトータルコスト約170〜180万円約5〜15万円
乾きやすさ日光が入るため乾きやすい除湿器+サーキュレーターで十分乾く
花粉対策◎ 花粉を遮断しながら日光干し◎ 完全室内のため花粉の影響ゼロ
動線の効率△ 2階バルコニーまで洗濯物を運ぶ◎ 洗濯機の隣なら運ぶ手間ゼロ
インナーバルコニー窓 vs ランドリースペースの比較

30年間のトータルコストで170万円 vs 15万円。この差は圧倒的です。

さらに、ランドリースペースは洗濯機の隣に設計すれば「洗う→干す」の動線がゼロになります。インナーバルコニーの場合、1階の洗濯機で洗った洗濯物を2階のバルコニーまで運ぶ手間が毎日発生する。この動線の差は、10年20年と積み重なると大きな負担になります。

ランドリースペースにガス乾燥機(乾太くん等)を導入すれば、物干しすら不要。洗濯機から出して乾燥機に入れるだけで完了します。ガス乾燥機の導入費用は20〜30万円程度。インナーバルコニーの窓(170万円)と比べれば、圧倒的にコスパが良い選択です。

ランドリースペースの設計ポイント

建築士としてランドリースペースを設計する際に押さえるポイントは4つです。

ポイント具体策理由
①洗濯機の隣に配置脱衣所と隣接させる or 脱衣所内に設ける「洗う→干す」の動線がゼロに。毎日の家事負担が大幅に減る
②換気扇 or 除湿器の設置天井に換気扇を設置。コンセントを2口以上確保湿気がこもるとカビの原因に。除湿器+サーキュレーターのダブル使いが最強
③物干しポールは天井付けホスクリーン等の昇降式物干しを天井に設置使わない時は天井に格納でき、スペースを有効活用できる
④自然光が入る窓北向きまたは東向きの小窓を設ける日光で洗濯物が乾きやすくなる。南向きは洗濯物が日焼けするリスク

このランドリースペースの設置費用は、物干しポール+換気扇+コンセント増設で合計5〜15万円程度。インナーバルコニーの窓(170万円)の約1/10以下です。間取りの中に2〜3帖のスペースを確保するだけで実現できるため、設計段階で検討することをおすすめします。

「ランドリースペースの間取りを見てほしい」「洗濯動線を効率的にしたい」という方は、ぶっちゃけの無料相談で建築士にご相談ください。

インナーバルコニーに窓をつける──よくある質問

Q. インナーバルコニーに窓をつけると固定資産税はどうなる?

上がります。窓をつけるとインナーバルコニーが延べ床面積に加算され、固定資産税の課税対象が増えます。目安は1㎡あたり年約1万円。3帖(約5㎡)なら年5万円、30年間で約150万円の増額です。

Q. インナーバルコニーの欠点は何ですか?

窓の有無に関わらず、インナーバルコニー自体のデメリットは「延べ床面積への加算」「奥の部屋の日当たりが悪くなる」「掃除・メンテナンスの手間」の3つです。窓をつけると、これに「固定資産税増」「結露リスク」「夏の暑さ」が加わります。

Q. インナーバルコニーに窓をつけると補助金は使えますか?

新築時の窓設置に対する直接的な補助金はありませんが、高断熱窓を採用する場合は「みらいエコ住宅2026事業」の対象になる可能性があります。ただし、インナーバルコニーの窓単体で補助金を受けるケースは稀で、住宅全体の省エネ性能として申請するのが一般的です。詳しくは「住宅補助金まとめ」をご覧ください。

Q. インナーバルコニーをサンルームにするのはあり?

窓をつけてサンルーム化すること自体は可能ですが、デメリット(固定資産税増・夏の暑さ・結露)を理解した上で判断してください。建築士としては、サンルーム目的であれば最初から「サンルーム」として設計した方が、断熱・換気の計画が適切に行えるためおすすめです。インナーバルコニーの「後付けサンルーム化」は、断熱性能が中途半端になりがちです。

Q. インナーバルコニーに窓をつけたら室外機はどこに置く?

窓で囲ったインナーバルコニーには室外機を置けなくなるため、代替の設置場所を確保する必要があります。壁掛け式にする、1階の地上に置く、別のバルコニーに移設するなどの方法があります。設計段階で「窓をつけたら室外機はどこに移すか」を必ず確認してください。後から室外機の移設が必要になると、配管延長で2〜5万円の追加費用がかかります。

Q. 新築時にインナーバルコニーに窓をつける場合、設計で気をつけることは?

窓の断熱性能と換気計画が重要です。Low-Eペアガラス以上の断熱窓を選び、結露対策として換気口または換気扇を設置してください。夏場の暑さ対策としてはブラインドまたはロールスクリーンを設計段階で計画しておくことをおすすめします。後付けだと窓枠のサイズが合わないことがあります。

Q. インナーバルコニーに窓をつけるのと、ランドリールームを作るのではどちらがおすすめ?

建築士のおすすめは圧倒的にランドリースペースです。30年間のトータルコストで170万円 vs 15万円という差があり、洗濯動線もランドリースペースの方が効率的です。インナーバルコニーに窓をつけるべきケースは「花粉アレルギー家族がいて、かつ日光干しにこだわりがある」場合に限られます。

まとめ──インナーバルコニーの窓は「通常不要」。洗濯ならランドリースペース

インナーバルコニーに窓をつけるメリットは確かにあります。花粉を遮断しながら日光干しができる、雨の日も安心、セカンドリビングとして使える──魅力的に聞こえます。

しかし、その代償は小さくありません。固定資産税が年5万円上がり、30年で150万円。窓の設置費用を含めるとトータル170万円以上。さらに結露リスク、夏の暑さ、室外機の移設問題も発生します。

洗濯物の室内干しが目的であれば、ランドリースペース(5〜15万円)の方が170万円安く、動線も効率的です。ガス乾燥機を導入すれば、そもそも「干す」行為自体がなくなります。

建築士として100棟見てきた結論は「インナーバルコニーの窓は通常不要」です。花粉アレルギーの家族がいる場合のみ検討してください。

最後に、インナーバルコニー自体は魅力的な設計要素です。屋根があるため雨の日でも半屋外の空間を楽しめ、外観のデザイン性も高まります。問題は「窓をつけるかどうか」の判断であり、インナーバルコニーそのものを否定しているわけではありません。窓なしのインナーバルコニーで洗濯物を干す、BBQを楽しむ、子供の遊び場にする──これらの使い方は固定資産税の影響を受けにくく、コスパの良い選択です。

代表設計士増田圭太の写真

「インナーバルコニーの設計で迷っている」「ランドリースペースの間取りを相談したい」という方は、ぶっちゃけハウジングの無料相談をご活用ください。建築士が間取り全体のバランスからアドバイスします。

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この記事を書いた人

香川県出身。地元・高松市の家づくりを熟知。
慶應義塾大学(数学専攻)卒業後、構造設計士の父の影響で建築の道へ。
住宅を中心に100棟以上の設計経験を持つ。
設計だけでなく住宅販売の経験も豊富で、施主が抱える悩みと住宅会社側の事情の両方を深く理解しているのが強み。

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